リスペリドン(リスパダール)

薬ごとの特徴

特徴

抗幻覚・妄想作用(陽性症状)が強く陰性症状の改善にも効果が期待できる

高力価薬剤強い抗精神病作用を有するが、鎮静作用は比較的弱い
  ※高力価薬剤の中では比較的錐体外路系の副作用が少ないのが特徴だが、
   第二世代抗精神病薬の中では錐体外路症状や高プロラクチン血症が出現しやすい

小児期の自閉スペクトラム症で認められる易刺激性にも適応あり
 →自傷や他害の改善

*抗ドパミン作用は用量依存的

*リスペリドンの代謝物はパリペリドン(インヴェガ)である
 →リスペリドンは服用後1時間以内、パリペリドンは3時間以内に最高血中濃度に達し、
  2段階が前の作用ピークを形成し、リスペリドンの活性物質の半減期が非常に長く、
  平均20時間程度に達するため、1日1回の服用でも効果を維持できることになる

*適応とは異なるが、実臨床では双極性障害のうつ状態、気分障害に伴う精神病症状、
 せん妄、アルコール精神病や覚せい剤精神病などの幻覚妄想や興奮、認知症の
 行動・心理症状(BPSD)や攻撃性
に対してなど幅広く用いられている

即効性があり食事の影響も受けないため、頓服としても処方されやすい

*デポ剤も存在する

併用禁忌:アドレナリン

*本剤を含むα1アドレナリン拮抗作用のある薬剤を投与された患者において、白内障手術中に
 術中虹彩緊張低下症候群が報告されているおり、術中・術後に、眼合併症を生じる可能性が
 あるので、術前に眼科医に本剤投与歴について伝えるよう指導すること(添付文書より)

 

投薬時に確認したいこと

*剤形:錠剤、OD錠、細粒、内用液

*運転:禁止(添付文書上)

*妊婦:有益投与(妊娠後期には注意が必要→新生児に影響がある場合あり)

*授乳婦:中止(添付文書上)(母乳移行はあるがわずか)

*割線:基本的に1mg錠・OD錠には割線あり(錠剤は白色のフィルムコーティング錠)
   ※ヨシトミの錠剤には線はあるが「割線」の記載なし
   ※トーワのOD錠は2mgと3mgにも割線あり
 粉砕:細粒を使うのがベスト
   ※添付文書より、0.25mg単位での調節が必要な場合は細粒を使用すること、の記載あり

 

基本的な用法

*適応:統合失調症
    小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
     →原則として5歳以上18歳未満の患者に使用すること
     ※クニヒロのみ適応がない    

*1日2回、1回1mgから開始し徐々に増量
  ※小児期のものに関しては体重により異なるため添付文書の確認をすること

*維持量は2~6mg/日を原則とする

*適宜増減コメントあり

最大投与量:12mg/日
  ※小児期のものに関しては体重により最大投与量が異なるため添付文書の確認をすること

※活性代謝物はパリペリドン
  →パリペリドンとの併用で作用が増強するおそれがあるため避けること

 

動態的特徴

*約1時間で最大血中濃度に達する

*半減期は約4時間

*定期的な採血によってモニタリングが必要

*肝代謝:主にCYP2D6(一部CYP3A4の関与あり)

*腎排泄

 

製剤の特徴

*OD錠:甘みがある
 液剤:甘苦い

内用液はお茶やコーラに混ぜると薬効(含量)が低下する可能性があるため禁止
  ※直接服用、水、ジュース、汁物に混ぜて服用することは問題ない
  ※希釈後はなるべく速やかに使用すること

*内用液の分包品(0.5mL、1mL、2mL、3mL)は、1回使い切りで
 開封後は全量を速やかに服用すること

*内用液は抗てんかん薬などのシロップとの混合は禁止
  →混濁、沈殿や含量低下を認めたため

*内用液は凍結を避けて保管すること
 冷蔵庫等の低温の場所に保管すると結晶析出の可能性があるので、その際は常温にて
 振盪するなどして溶解すること。

 

副作用の特徴

*悪性症候群に注意
  →無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現

*ドパミン遮断作用が強い
  →非定型の中では比較的錐体外路症状高プロラクチン血症が出やすい(用量依存的
   ※女性で生理が遅れたらプロラクチン値の確認が重要
   ※アカシジアやパーキンソン症状などが出現したら速やかに
    抗パーキンソン薬を使用することが重要

*遅発性ジスキネジア
  →口周部等の不随意運動に注意

高血糖や糖尿病の悪化
  →口渇・多飲・多尿・頻尿等の症状の発現に注意すること
   ※糖尿病ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡にも注意
 低血糖
  →脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の症状に注意すること
   ※糖尿病や既往歴があるような場合は血糖値の測定も重要
 添付文書より:このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し診察を受けるよう指導

*興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性がある

*起立性低血圧(投与初期や再投与時、増量時)
  ※α交感神経遮断作用に基づく作用
  →少量から徐々に増量し、低血圧があらわれた場合は減量等、適切な処置を行うこと

*5%以上の報告がある副作用
  →食欲不振、不眠症、不安、アカシジア、振戦、構音障害、傾眠、めまい・ふらつき、
   流涎過多、便秘、悪心、嘔吐、筋固縮、月経障害、易刺激性、倦怠感、口渇
  ※M1受容体遮断:口渇、傾眠
  ※H1受容体遮断:体重増加、傾眠
  ※α1受容体遮断:起立性低血圧、傾眠、めまいなど

 

患者指導

*基本的には精神疾患の再燃予防に用いられることも多いことから、副作用を感じたとしても
 自己判断で用量を減らしたり内服を中断したりせずに主治医に相談する必要がある。

*眠気や注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるため、作用が残っているうちは
 自動車などの運転をしないように注意が必要となる

*肝代謝のため、肝機能の低下している患者への投与は慎重に

*パリペリドンが腎排泄されるため、重度の腎機能障害がある患者や透析患者への使用は
 なるべく控え、使用する場合は少量から慎重に投与を行う必要がある

*高血糖や糖尿病の悪化が生じる可能性があるため慎重に投与すること

*けいれん閾値を下げる作用があるため、けいれん性疾患やてんかん発作に注意が必要

*バルビツール酸誘導体・麻酔薬など中枢神経抑制薬との併用や飲酒によって
 眠気や精神運動機能を低下を起こすことがあるので注意が必要

*降圧薬との併用で起立性低血圧を起こすことがあるので注意が必要

 

確認した添付文書(2026.5現在)

細粒

*リスパダール細粒1%

*「NP」「アメル」「サワイ」「タカタ」「トーワ」「ヨシトミ」

 

錠剤

*リスパダール錠、「サワイ」「タカタ」「トーワ」:1mg、2mg、3mg

*「NP」「アメル」「クニヒロ」「ヨシトミ」:0.5mg、1mg、2mg、3mg

 

口腔内崩壊錠

*リスパダールOD錠:0.5mg、1mg、2mg

*「アメル」「サワイ」「タカタ」「トーワ」:0.5mg、1mg、2mg、3mg

 

内用液1mg/mL

*「アメル」「杏林」「タカタ」「ヨシトミ」:分包品(0.5mL、1mL、2mL、3mL)

*「杏林」「トーワ」「ヨシトミ」:瓶

 

タイトルとURLをコピーしました