特徴
*適応:統合失調症
*強固なドパミン受容体遮断作用がある(5-HT2A<D2)
→統合失調症の陽性症状(特に妄想や体感幻覚)にかなり効果的
*D2受容体、5-HT2A受容体以外の受容体への結合親和性が低い
→眠気や過鎮静、体重増加の副作用は比較的少ない
*貼付剤がある
→イレウスや誤嚥を起こしやすい人に効果的
*適応外だが、高齢者の不眠、せん妄、BPSDに使われることもある
基本的な用法
〚 錠剤 〛
*通常1回4mg、1日2回食後投与し、徐々に増量する
*維持量として1日8~16mgを2回に分けて食後投与
*適宜増減コメントあり
*最大投与量:24mg/日
〚 貼付剤 〛
*40mgを1日1回貼付
*最大投与量:80mg/日
*胸部、腹部、背部のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替える
動態的特徴
〚 錠剤 〛
*空腹時と比べて食後の投与時の吸収効率が有意に上昇するため食後投与
*約3.8時間で最大血中濃度に達する
*半減期は約67.9時間
〚 貼付剤 〛
*約24時間で最大血中濃度に達する
*半減期は約42時間
〚 共通 〛
*CYP3A4を強く阻害する薬剤と併用禁忌
→ブロナンセリンの血中濃度が上昇し、作用が増強する恐れがあるため
*錠剤8mg/日が貼付剤の40mg/日に相当する
製剤の特徴
〚 貼付剤 〛
*貼付部位のかゆみを訴える人が多い
→毎日ずらして貼るようにする
*はさみ等で切って使用しないこと
*副作用が出ても剥がすと効果が消失するため比較的安全に使用できる
副作用の特徴
*錐体外路症状、高プロラクチン血症は出やすい
→パーキンソン症候群は33.5%、アカシジアは24.7%、ジスキネジアは12.9%報告あり
→プロラクチン上昇は21.3%で報告あり
※貼付剤ではこの数値よりも発現頻度は低い
*不眠は19.6%、眠気は12.4%で報告あり
*貼付剤:光線過敏症が発現する恐れがある
→貼付部位への直射日光は避ける必要がある
剥がした後1~2週間は避けること
