特徴
*強固なドパミン受容体遮断作用がある(5-HT2A<D2)
→統合失調症の陽性症状(特に妄想や体感幻覚)にかなり効果的
*鎮静作用は弱い
→興奮が激しい場合は鎮静作用のある薬剤への置き換えを考慮する
*D2受容体、5-HT2A受容体以外の受容体への結合親和性が低い
→眠気や過鎮静、体重増加、高プロラクチン血症、起立性低血圧、
糖脂質代謝異常の副作用は比較的少ない
*第二世代抗精神病薬のなかでは錐体外路症状が生じやすい(第一世代に比べたら少ない)
月経異常や性機能障害は生じにくい
*脳内移行性が高い
→脳を介さない副作用は出現しにくいと考えられている
*貼付剤がある
→イレウスや誤嚥を起こしやすい人、消化管手術後などに効果的
*適応外だが、高齢者の不眠、せん妄、BPSDに使われることもある
*禁忌:アドレナリン、CYP3A4を強く阻害する薬剤
*剤形:錠剤、散剤、貼付剤
*運転:禁止(添付文書上)
*妊婦:有益投与(妊娠後期には注意が必要→新生児に影響がある場合あり)
*授乳婦:中止(添付文書上)(母乳移行はあるがわずか)
*割線:4mg錠、8mg錠は割線入りの素錠
粉砕:〇(散剤を使うのがベスト)
*貼付剤:カット×
光線過敏あり。直射日光は避ける。剥がした後も1~2週間は避けるように。
基本的な用法
*適応:統合失調症
〚 錠剤・散剤 〛
*通常1回4mg、1日2回食後投与し、徐々に増量する
*維持量として1日8~16mgを2回に分けて食後投与
*適宜増減コメントあり
*最大投与量:24mg/日
※小児の場合、最大投与量は16mg/日
*原則として12歳以上の患者に使用すること。
*小児において増量する場合には、1週間以上の間隔をあけて行うこと。
(添付文書上では12~18歳と記載あり)
〚 貼付剤 〛
*40mgを1日1回貼付
*最大投与量:80mg/日
*胸部、腹部、背部のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替える
※小児等を対象とした臨床試験は実施していない
*錠剤⇔貼付剤では用法用量に関連する注意事項があるため添付文書をしっかり確認すること!
動態的特徴
〚 錠剤・散剤 〛
*空腹時と比べて食後の投与時の吸収効率が有意に上昇するため食後投与
*約3.8時間で最大血中濃度に達する
*半減期は約67.9時間
〚 貼付剤 〛
*約24時間で最大血中濃度に達する
*半減期は約42時間
〚 共通 〛
*CYP3A4を強く阻害する薬剤と併用禁忌
→ブロナンセリンの血中濃度が上昇し、作用が増強する恐れがあるため
※例:アゾール系抗真菌薬、HIVプロテアーゼ阻害薬、テラプレビル、コビシスタットなど
*錠剤8mg/日が貼付剤の40mg/日に相当する
*排泄:尿中及び糞便中
製剤の特徴
〚 貼付剤 〛
*包装袋を開封せず交付すること
→テープ剤の品質は光の影響を受けるため
*貼付部位のかゆみを訴える人が多い
→皮膚刺激を避けるため、毎回ずらして貼るようにする
*光線過敏症が発現するおそれがある
→衣服で覆うなど貼付部位への直射日光を避けること
剥がした後も1~2週間は貼付していた部位への直射日光を避けること
*はさみ等で切って使用しないこと
*副作用が出ても剥がすと効果が消失するため比較的安全に使用できる
→剥がすことで速やかに血中濃度が下がるため
副作用の特徴
*悪性症候群に注意
→無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現
※投与開始時、増量時、脱水などの身体的ストレスがかかったときなどには特に注意が必要
*遅発性ジスキネジア
→口周部等の不随意運動に注意
*高血糖や糖尿病の悪化
→口渇・多飲・多尿・頻尿等の症状の発現に注意すること
※糖尿病ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡にも注意
*錐体外路症状、高プロラクチン血症は出やすい
→パーキンソン症候群は33.5%、アカシジアは24.7%、ジスキネジアは12.9%報告あり
→プロラクチン上昇は21.3%で報告あり
※貼付剤ではこの数値よりも発現頻度は低い
*不眠は19.6%、眠気は12.4%で報告あり
*貼付剤:光線過敏症が発現する恐れがある
→貼付部位への直射日光は避ける必要がある
剥がした後1~2週間は避けること
*貼付剤:紅斑(11.7%)、そう痒感(5%以上)
*興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性がある
*その他5%以上の報告がある副作用
→便秘、食欲不振、悪心、不安・焦燥感・易刺激性、めまい・ふらつき、頭重・頭痛、
興奮、倦怠感、口渇、脱力感
確認した添付文書(2026.5現在)
〚 錠剤 〛
*ロナセン錠
*「アメル」「サワイ」「トーワ」「日医工」「ニプロ」「DSEP」「DSPB」「YD」
〚 散剤 〛
*ロナセン散
*「アメル」「サワイ」「DSPB」
〚 貼付剤 〛
*ロナセンテープ

