抗精神病薬の副作用

錐体外路症状

※症状が出る部位によって病名が変わる

*身体全体:ジストニア
  体を捻るような奇妙な姿勢、両腕を振り回すように歩く
  定型薬を飲んでいる患者でまれに発症する
 ※急性ジストニア
  投与開始後数時間~数日で出現
  頸部や眼球、下などの筋緊張が異常に更新する状態
  眼球上転発作や頸部後屈(後弓反張)などが典型的
  抗コリン薬(ビペリデンなど)の筋肉注射または静脈注射が著効する

*手足:パーキンソン症状
  筋強剛、手の震え、小刻み歩行、すり足歩行
  ※筋強剛:身体全体に及ぶため、顔に出れば無動・無表情などになる
  投与開始後週数間~数か月で出現
  振戦、筋強剛、寡動、姿勢反射障害といったパーキンソン病用の症状を呈する
  原因薬剤の原料・中止が基本だが、難しい場合は抗コリン薬の内服で対処する

*足:アカシジア
  足のムズムズ、胸のムズムズ
  「静坐不能」と訳され、じっと座っていられない、そわそわして歩き回る、
  足踏みをするといった主観的な落ち着かなさと、客観的な運動亢進を伴う
  患者さんの苦痛が非常に強く、自殺念慮につながることもある
  β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)やベンゾジアゼピン系薬物(クロナゼパム、
  ロラゼパムなど)が有効なことがある

*口:ジスキネジア
  服用後すぐではなく長期で服用している患者で発症することが多い
 ※遅発性ジスキネジア
  長期投与後に現れる、口をもぐもぐさせる、舌を出す、手足が勝手に動くといった不随意運動
  急な減量や中止をきっかけに発症する
  不可逆的になることもあり、予防が最も重要
  治療は困難だが、バルベナジン(ジスバル)が治療薬として承認されている

治療薬
 *抗パーキンソン病薬
  →ビペリデン(アキネトン)、トリヘキシフェニジル(アーテン)

 *神経難病治療薬
  →バルベナジン(ジスバル)

悪性症候群

*無動症、筋強直、自律神経症状などの前駆症状を経て、
 40度以上の発熱、筋強剛、CK上昇、振戦、発汗、頻脈などが起こり
 昏睡、蒼白、呼吸困難、脱水、虚脱、けいれんを起こし、死に至ることがある

*発症の原因は抗精神病薬の服用開始と中止だが、多飲量・拒食でも起こる
 体内での急激なドパミン量の変化が要因となる

*対応・治療薬
 基本的に投薬を中止し、ダントロレンナトリウム(ダントリウム)を投与する

代謝系副作用

*MARTAで体重増加、脂質異常症、糖尿病といった副作用が問題となる

糖尿病患者にオランザピン、クエチアピンは禁忌

高プロラクチン血症

*D2受容体遮断によりプロラクチンの分泌が亢進する
 それにより女性では無月経や乳汁分泌、男性では性機能障害や女性加入棒などが生じる

*リスペリドンや定型抗精神病薬で特に起こりやすい

*副作用の少ない薬剤への変更が第一選択だが、アリピプラゾールのようなDSSを
 少量追加することでプロラクチン値を下げることができる場合がある

心血管系副作用

*多くの向精神薬、特に抗精神病薬や三環系抗うつ薬は、心臓のイオンチャネルに影響し、
 心電図上のQT時間を延長させる可能性がある

*複数のQT延長リスク薬を併用する場合や、電解質異常(低カリウム血症など)が
 ある場合は注意が必要

自律神経症状

*α1受容体遮断作用:起立性低血圧、反射性頻脈など

*抗コリン作用:口渇、鼻閉、便秘、尿貯留など

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