概要
*気分が極端に高揚する「躁状態」と、気分がひどく落ち込む「うつ状態」の病相を繰り返す
*特徴
・10代後半~30代に発症することが多い
・性差はほとんどない
・うつ病と診断されてもその後躁状態を経験して双極性障害と診断が変更されるケースもあり
→うつ状態が躁状態と比べて圧倒的に長いため
・躁状態とうつ状態の間に気分が安定している期間(寛解期)がある
・発症機序、メカニズムについては様々な意見あり
→遺伝的要因、脳の構造や機能的異常、神経伝達物質の異常、細胞内情報伝達系の異常、
概日リズムの異常、環境要因・心理社会的ストレスなどが関わっていると言われている
躁状態
*ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンの機能が過剰になっている状態
*最低1週間以上持続する
*活動性が異常に亢進し、日常生活に支障をきたすほど明らかな気分の異常が特徴
・気分の高揚、開放性、易刺激性
→根拠なく自身に満ち溢れ、多幸感を覚える一方で、些細なことでイライラし
怒りっぽくなることもある
・活動性の亢進
→異常に活動的になりじっとしていられない、睡眠時間が著しく短くなる、
多弁・早口になる、思考が次々と浮かび話がちらかる、衝動的な行動が増える
・思考の障害
→思考が次々と移り変わり話がまとまらない、誇大妄想
・判断力の低下と問題行動
→衝動買い、ギャンブル、浪費などの金銭問題、性的逸脱行為、過度な飲酒・喫煙、
攻撃的になってトラブルを起こしやすい、社会的な規範は規則を無視した行動
うつ状態
*ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンの機能が低下している状態
*躁状態よりもうつ状態の期間が圧倒的に長いことが多い
*気分が著しく落ち込み、精神活動や身体活動が低下する
・抑うつ気分
→何事にも興味や喜びを感じられない
・意欲・活動性の低下
→倦怠感が強く、体が重い、だるい、何もする気が起きない、引きこもりがちになる、
集中力や思考力の低下
・睡眠障害
→不眠が多いが過眠になることもある
・身体症状
→頭痛、肩こり、めまい、便秘・下痢など
・食欲の低下、罪悪感・自己評価の低下、希死念慮
混合状態
*躁状態とうつ状態の症状が同時に出現したり、急速に交替したりする状態
→気分は落ち込んでいるのに、思考は観念奔逸で落ち着きがなくイライラが強い、など
*非常に不安定で、患者さん自身も周囲も対応に苦慮することが多く、自殺のリスクも高い
治療薬
*気分安定薬が治療の中心
→躁状態、うつ状態、そして再発予防のすべての局面で使用される
気分安定薬
*双極性障害に対する躁状態およびうつ症状に対して治療効果・予防効果を持つ薬
*鎮静効果 :③>①>②>④
SE出現頻度:③>②>④>①
※鎮静効果が高く、副作用が出にくいバルプロ酸ナトリウムが使用しやすい
※用量表については下記より確認できます
非定型抗精神病薬
*躁状態の急性期やうつ状態の改善、再発予防にも用いられる
*例:オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、ルラシドン、ブレクスピプラゾールなど
*気分安定作用に加え、鎮静作用や抗不安作用も期待できる
※詳しくは下記より確認できます
抗うつ薬
*双極性障害のうつ状態に対して、抗うつ薬の単独使用は
躁転(うつ状態から躁状態に移行すること)のリスクがあるため、
原則として気分安定薬や非定型抗精神病薬と併用される
*躁転の兆候に注意しながら慎重に投与すること
※詳しくは下記より確認できます
睡眠薬・抗不安薬
*不眠や不安が強い場合に一時的に用いられることがある
*依存性があるため漫然と使用しないこと
※抗不安薬について詳しくは下記より確認できます

