ACE阻害薬

薬ごとの特徴

特徴

腎排泄型
  →腎機能障害患者に投与すると排泄が遅延し、過度の血圧低下や
   腎機能の悪化につながるおそれあり
  ※クレアチニンクリアランス30mL/min以下が目安

*腎不全、妊婦(流産の可能性)に禁忌

*アルドステロン分泌も抑制し、体液量低下にも寄与する
  →心保護作用

*臓器保護作用あり
  →心肥大や血管障害の抑制、心不全改善作用、腎保護作用、インスリン抵抗性改善作用など

*腎機能が悪い場合、作用が強く出すぎるおそれがあるため避ける

*慢性心不全(軽症~中等症)患者に初回投与した後、
 一過性の急激な血圧低下を起こすことがあるため注意が必要

*心不全、糖尿病、痛風などの合併症がある場合にも腎機能障害の予防として効果的

*降圧系、昇圧系両方に作用して血圧を下げる

*降圧効果・臓器保護効果に関してはACE阻害薬とほぼ同等ととらえて問題なし
  ※書籍により若干異なる(同等かやや弱い、やや強いの表記)

*多くの場合、体内で代謝されることで活性体となるプロドラッグ製剤
  →カプトプリル、アラセプリル、リシノプリルはそれ自身に活性がある

*禁忌
  血管浮腫の既往歴のある患者、吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者(簡略化記載)、
  AN69を用いた血液透析施行中の患者、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、
  アリスキレン(ラジレス)を投与中の糖尿病患者

*ACE阻害薬やARBを含む十分な標準治療にアリスキレン(ラジレス)を併用した場合、
 腎障害または腎機能低下を伴う2型糖尿病を合併した高血圧患者で、非致死性脳卒中、
 腎合併症、高カリウム血症、低血圧のリスクが高まる可能性が示唆された
  →糖尿病を合併している高血圧症患者に対してアリスキレンとACE阻害薬・ARBとの併用禁忌

ARBとの違い

*古くから使われており使用実績も豊富なため適応症も広い

*血管トラブルの予防効果について大きな違いはない

*適応症:「高血圧」だけでなく、「慢性心不全」「糖尿病性腎症」などもある

*空咳の副作用で飲み続けられない人がいる
  ※以前は誤嚥性肺炎の予防のためにあえて処方されることがあったが、2025年の
   改定により、優位性に乏しい可能性が示唆された

相互作用

*血清カリウム値が上昇
  →スピロノラクトン、トリアムテレン

*本剤または下記薬剤の作用が増強
  →ヒドロクロロチアジド、ニトログリセリン

*リチウム中毒
  →炭酸リチウム

*腎機能障害、高カリウム血症、低血圧
  →アリスキレン、ARB

*降圧作用が減弱
  →非ステロイド性消炎鎮痛薬、リファンピシン

副作用の特徴

*重大な副作用として、血管神経性浮腫による呼吸困難や、声門や咽頭の浮腫がある

空咳(10~30%程度)
  →中断する理由の7割近くがこれ

*発疹、発熱、そう痒感、関節痛、胃腸障害、味覚異常、めまい、血管浮腫

*血清カリウム値上昇
  →手足のしびれ、手足の脱力や麻痺、筋肉の衰えなど

*血清クレアチニン上昇

代表的な治療薬

*イミダプリル(タナトリル)
  →ACE阻害薬の中では副作用の空咳の発現が少ない
   適応:高血圧以外に「1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症」がある(2.5mg、5mgにのみ)

*エナラプリル(レニベース)
  →生後一か月以上の小児に適応あり(0.08mg/kg・分1)
   適応:高血圧以外に「慢性心不全(軽症~中等症)」がある
   主な用法用量:5~10mgを1日1回投与
   Tmax:約4時間
   作用の持続時間:約24時間

*カプトプリル
  →空腹時の服用で吸収が大きくなる
   それ自体に活性があり、未変化体により作用する

*シラザプリル
  →共通の禁忌項目に加え、「腹水を伴う肝硬変のある患者」の記載がある
    ※48時間後においてもACE活性が90%以上阻害されたままになり過度の降圧になる

*リシノプリル(ロンゲス)
  →6歳以上の小児に適応あり(0.07mg/kg・分1)
   適応:高血圧以外に「慢性心不全(軽症~中等症)」がある
   それ自体に活性があり、未変化体により作用する

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