血圧とは
*血管内に生じる圧力のこと
※動脈圧と静脈圧がある
→静脈圧はほぼ0であり、動脈圧のことを血圧と呼ぶ
*心臓が送り出す血液の量(心拍出量)と、血管を流れる血液の流れにくさ(末梢血管抵抗)
という2つの因子によって決まる
*最高血圧とは、「収縮期血圧」という
=心臓が収縮するときの血圧のこと
*最低血圧とは、「拡張期血圧」という
=収縮した心臓が拡張して元に戻ったときの血圧のこと
高血圧とは
*診断基準:140/90 mmHg以上(家庭血圧135/85 mmHg未満)
*降圧目標:130/80 mmHg未満(家庭血圧125/75 mmHg未満)
※年齢・病態・合併症問わず(2025年に改訂)
※ただし、「めまい・ふらつき・腎機能低下・高齢で虚弱(フレイル)傾向」などが
ある場合には、個別に目標値を緩やかに調整することが明記されている。
*血圧測定
・タイミング
朝:起床後、排尿後・朝食前・薬を飲む前(起床後1時間以内)
夜:就寝前(食事・服薬・排尿・入浴などを全て済ませた後)
・座位・上腕で1〜2分安静後に2回測定
※測定前には喫煙・飲酒やカフェインを含む飲料は禁止
※測定中は話をしたり、姿勢を変えたり、力んだりしないように注意する
※とくに「起床直後・朝の時間帯」の血圧上昇が、脳卒中や心筋梗塞のリスクと
関連があることが明らかになってきたため自宅での測定は大切である
*自覚症状は基本的にない
※まれに頭痛や耳鳴り、めまい、首の痛み・こり、イライラなどが現れる場合もあるが、
その原因が高血圧だとは気づかないことがほとんどである
妊娠高血圧症候群
妊娠20週以降に初めて高血圧が発症する
分娩後12週までに回復する
妊婦の約20人に1人の割合で起こると言われている
重症になると、肝臓・腎臓の機能障害を招くほか、
赤ちゃんの発育が悪くなる場合もある
※妊娠中に妊娠高血圧になったり、たんぱく尿が出たりした人は
更年期に高血圧になるリスクが高いと言われている
薬物治療
メチルドパ、ラベタロール、ヒドララジン、ニフェジピン、アムロジピン
※ACE阻害薬、ARBは禁忌
治療の目的・合併症
*目的
→高血圧の持続による脳心血管病、慢性腎臓病の発症や進展及び再発を避け、
全身の血管の機能障害や死亡を減少させること
*起こりえる合併症
→血管障害(脳梗塞、眼底出血、慢性腎臓病、心筋梗塞、脳出血、脳卒中など)
左室肥大(心不全、心房細動など)、大動脈瘤、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症、
脳血管性認知症、腎硬化症、腎不全など
治療
*薬物治療と生活習慣の見直しを並行して行う
治療薬
*2025年の改定により降圧薬が使い方や特徴によって分類が変更された
G1:降圧治療開始時から使用する主要降圧薬
→G1a:長時間作用型ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬
G1b:少量のサイアザイド系利尿薬、β遮断薬(ビソプロロール、カルベジロールなど)
G2:降圧治療薬で病態に応じて選択する薬
→アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)、MR拮抗薬
G3:治療抵抗性高血圧や特殊な病態に用いる
→α遮断薬、ヒドララジン、中枢性交感神経抑制薬など
※Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬が主流
→作用が穏やか、副作用が少ない、他の薬と併用しやすい、合併症に悪い影響を与えない
※中枢性交感神経抑制薬(アルドメットなど)
→作用が強力なため急な中止はしてはいけない
→めまい、脱力感、起立性低血圧症、抑うつといった副作用が目立つ
生活習慣の見直し
*食塩制限:1日6g未満
※厳重な減塩療法中の患者にACE阻害薬やARBを用いると、過度の血圧低下が生じ、
めまいやふらつきが生じることがあるため注意する
*野菜・果物の積極的摂取
※腎障害のある患者では高K血症をきたすおそれがあるため推奨しない
*適正体重の維持
※BMIは25未満を維持する
*適度な運動
※心血管病のない患者が対象
※中程度の強さの有酸素運動を1日30分以上または週に180分以上行う
*節酒
※エタノール換算:男性20~30mL以下、女性10~20mL以下
*禁煙
※禁煙補助薬なども考慮する
よくある質問(体験談)
*血圧は高くないけど飲むの?
→ARBやACE阻害薬の場合は処方目的が臓器保護作用であることも。
*血圧が安定しているからやめてもいい?
→服用していることで今の血圧で安定している可能性が高いためやめないように。
*飲み始めたら一生飲むの?
→軽度の場合は休薬できることもあるが、基本的には一生飲むことをお伝え。
ただし年齢を重ねて食事量の変化などにより休薬できることもある。
*高い時だけ飲めばいい?
→1日の中でも状況に応じて変化するため、コントロールするためにも
毎日同じ時間に服用するように指導。
*低血圧になることが多いけど飲むの?
→先生に伝えていないことも。浮腫による利尿剤の併用などで下がっていることもあり。
また、複数医療機関に通うことで先生方が知らず知らずに出していることもあり。
