パロキセチン(パキシル)

特徴

*セロトニン再取り込み阻害作用により、セロトニン濃度を高める効果がある
 わずかに抗コリン作用・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用も有する

*セロトニン症状主体で、衝動性や攻撃性を認めるときに有効

*SSRIの中でも比較的強い薬
 →減量する際の中断症候群が起こりやすいため注意が必要
  ※飲み忘れがないように患者様や家族には事前に十分説明しておく必要がある

*服薬開始後・増量後に起こる賦活症候群セロトニン症候群にも注意が必要
 ※セロトニン症候群:多剤併用・多量服薬によっても引き起こされる
           発汗、発熱、頻脈、振戦、筋強剛、不安、興奮、不穏状態
 ※原因となる薬を中止すれば24時間以内に7割は改善する

 

基本的な用法

*適応:うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害

※適宜増減コメントあり

※パキシルCR錠
  適応:うつ病・うつ状態のみ
  初期用量:12.5mg/日
  維持量:25mg/日
  用法:1日1回夕食後
  最大投与量:50mg/日
  適宜増減コメントあり

 

動態的特徴

*約5時間で最大血中濃度に達する
  ※CR錠:約8~10時間で最大血中濃度に達する

*半減期は約14~15時間
  ※CR錠は13時間

*主として肝代謝酵素CYP2D6で代謝され、また、CYP2D6の阻害作用をもつ
  ※血中濃度は非線形に上昇するため副作用が出やすくなる
   →内服量を2倍にしたら血中濃度も2倍になるという正比例をしない薬

*食事の影響は認められない

 

製剤の特徴

*CR錠:腸で徐々に解けるフィルムコーティング剤
  →噛んだり、割ったり、砕いたりせずに飲むこと

 

副作用の特徴

*眠気、嘔気、食欲不振、下痢、便秘、口渇など

*離脱症状:めまい、知覚障害(錯感覚、電気ショック様感覚、耳鳴等)、
      睡眠障害(悪夢を含む)、不安、焦燥、興奮、意識障害、嘔気、
      振戦、錯乱、発汗、頭痛、下痢等があらわれることがある。
  ※投与中止後数日以内にあらわれ、2週間程度で軽快する

 

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