特徴
*ドパミン・セロトニン・ノルアドレナリン・ヒスタミン・ムスカリンなどの受容体に作用
*鎮静作用が強いため、睡眠剤として使われることもある
*D2受容体に対する親和性は低いため、錐体外路症状や高プロラクチン血症は比較的出にくい
→D2受容体遮断作用はクエチアピンよりも強力
*喫煙者には効果が不十分になるため注意が必要
※代謝が促進してしまい血中濃度が低くなるため
*認知機能低下にも効果あり
*抗コリン作用あり
*糖尿病には禁忌
基本的な用量
*適応:統合失調症、双極性障害の躁症状・うつ症状の改善、抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状
| 統合失調症 | 躁症状の改善 | うつ症状の改善 | 消化器症状 | |
| 開始量 | 5~10mg | 10mg | 5mg | 5mg |
| 維持量 | 10mg | 10mg | 10mg | 5mg |
| 最大投与量 | 20mg/日 | 20mg/日 | 20mg/日 | 10mg/日 |
| 用法 | 1日1回 | 1日1回 | 1日1回就寝前 | 1日1回 |
*すべて適宜増減コメントあり
動態的特徴
*約5時間で最大血中濃度に達する
*半減期は約28時間
*食事による吸収への影響はない
*腎・肝障害のある患者でも大きな影響はない。
*代謝:CYP1A2、CYP2D6が関与
*非喫煙者、女性、高齢者では血漿中濃度が増加することがある
製剤の特徴
*OD錠は水なしでも服用することができるが、寝たままで服用しないこと
副作用の特徴
*傾眠(22.3%)、不眠(10.3%)がでやすい。
*高血糖になりやすく、体重増加(20.1%)をきたしやすい
→高齢者の意欲低下に使用することもある
→血糖値上昇で口渇になりやすく、多飲水・水中毒症状に注意が必要
*糖尿病ケトアシドーシスや糖尿病昏睡、悪性症候群、遅発性ジスキネジアに注意

