特徴
*ドパミン、セロトニン、ヒスタミン、アドレナリンなどに関与
*初期投与量から有効用量までの増量に時間がかかる
*セロクエルは適応外でうつ症状や認知症の症状緩和に使われることもある
半減期が短いことから頓服としても使いやすい
鎮静作用や傾眠作用もあるため、不穏時や睡眠薬としても使われる
気分安定化作用があるため認知症のBPSD、せん妄の治療、高齢者の不眠に対しても使われる
*D2遮断作用が弱いため錐体外路症状は稀
→陽性症状には効きにくいが効果はある
*抗コリン作用あり
→尿閉や口渇、麻痺性イレウス、閉塞隅角緑内障に注意
*禁忌:アドレナリン
糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者には禁忌
→警告:著しい血糖値上昇から、重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、
本剤投与中は血糖値の測定等の観察を十分に行うこと
患者及び家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿などの異常に注意すること
*用量によって薬剤の特性が変わる
25~50mg:H1受容体への遮断効果が強い→強い眠気が出るため睡眠を得るための補助
300mg以上:5-HT2A受容体遮断作用、ノルエピネフリントランスポーター阻害作用→抗うつ効果
統合失調症に対して使用する場合には一般的にはそれ以上の用量が必要
*剤形:錠剤、徐放剤(ビプレッソ)、細粒
*運転:禁止(添付文書上)
*妊婦:有益投与(妊娠後期には注意が必要→新生児に影響がある場合あり)
*授乳婦:中止(添付文書上)(母乳移行はあるがわずか)
*割線:「明治」の50mgのみ割線あり(すべてフィルムコーティング錠)
粉砕:錠剤〇、徐放剤×(細粒を使うのがベスト)
一包化:〇
基本的な用法
| セロクエル | ビプレッソ徐放錠 | |
| 適応 | 統合失調症 | 双極性障害における うつ症状の改善 |
| 開始量 | 25mg/回 | 50mg/回 |
| 維持量 | 150~600mg/日 | 300mg/日 |
| 最大投与量 | 750mg/日 | 記載なし |
| 用法 | 1日2~3回 | 1日1回就寝前 |
*適宜増減コメントあり
*ビプレッソ徐放錠は初回投与後2日以上あけてから150mgに増量すること
※150mg投与後も2日以上あけて300mgに増量すること
*ビプレッソ徐放錠は食後2時間以上あけてから服用すること
動態的特徴
| セロクエル | ビプレッソ徐放錠 | |
| Cmax | 約1時間 | 約6時間 |
| 半減期 | 約2時間 →1日2~3回 | 約7~12時間 →1日1回 |
| 食事の影響 | 認められない | 食後投与で血中濃度が上昇 |
*代謝:CYP3A4
→そこにかかわる薬との併用注意
製剤の特徴
*ビプレッソ徐放錠は割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで服用すること
副作用の特徴
*高血糖、体重増加、QT延長に注意
*セロクエル:不眠(19.3%)、傾眠(14.2%)
*ビプレッソ徐放錠:傾眠(50.7%)、口渇(23.5%)、食欲増進
※食欲増進作用はうつ症状の食欲不振には効果的
*高血糖や糖尿病の悪化
→口渇・多飲・多尿・頻尿等の症状の発現に注意すること
※糖尿病ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡にも注意
低血糖
→脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の症状に注意すること
※糖尿病や既往歴があるような場合は血糖値の測定も重要
添付文書より:このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し診察を受けるよう指導
*起立性低血圧(投与初期や再投与時、増量時)
※α交感神経遮断作用に基づく作用
→少量から徐々に増量し、低血圧があらわれた場合は減量等、適切な処置を行うこと
*5%以上の報告がある副作用
→易刺激性、不安、頭痛、めまい、アカシジア、振戦、構音障害、頻脈、AST上昇、
ALT上昇、LDH上昇、便秘、食欲減退、高プロラクチン血症、T4減少、倦怠感、無力症、CK上昇
確認した添付文書(2026.6現在)
細粒
*「アメル」:10%、50%
*セロクエル、「サワイ」「タカタ」「トーワ」:50%
錠剤
*「アメル」「明治」:12.5mg、25mg、50mg、100mg、200mg
*セロクエル、「DSEP」「FFP」「JG」「VTRS」「サワイ」「サンド」
「タカタ」「トーワ」「ニプロ」「日新」
→25mg、50mg、100mg、200mg

